詩音〜utaoto〜




「ねぇ、詩チャンさっきの何?」




母の車に乗った途端、ずっと喋らずにいた音也が聞いてきた。




「別に何でもないよ」


「7月最初の日曜日に何があるの?」


「何もないよ」




私は面倒な事になったと思った。




音也が来るまでの会話で橘の気持ちは何となく分かった。


今まで橘をそういう風に見た事なかったから、初めての事にどう対処していいのか分からない。




だけど……、



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