詩音〜utaoto〜
家に帰って、自分の部屋に入るとホッとする。
半日授業で普段よりも楽だったはずなのに、私の許容範囲を超えた出来事に何だか疲れた。
音也と部屋が別々なのが幸いだ。
中学生になってから、それぞれの部屋が与えられた。
そろそろ一人の時間も必要だろうって、父が言ってくれたのだ。
それでも今までずっと一緒にいたから、急に一人になった寂しさからお互いの部屋をいつも行き来していた。
「一緒のままでいいのに〜」なんてその頃は言ってたけど、今日みたいな日は一人でいたい。
二人きりになったら、何を聞かれるか分からない。
お父さんはそういう事を考えてくれてたのかな?