群青世界 ~忘れられた空の色~
「ふぁっ…」

葉月の口から甘い嬌声が漏れる。それが合図かのように、彩己は葉月の身体を境内に横たえる。強引なのに一つ一つの動作が優しくて、葉月は全てを忘れて縋りたくなる。

シャツの釦がひとつひとつ外されていく。露わになった下着がぼんやりと浮かび上がる。もう陽は山に沈もうとしている。

男の人とこんな行為をするのは初めてだったが、葉月はちっとも怖くなかった。きっと相手が彩己だからだろう。
< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop