群青世界 ~忘れられた空の色~
彩己は昔から、葉月が苛められれば守ってくれたし、淋しいときは何時も傍にいてくれた。彩己に会えない日は何処か物足りなくて一人でこっそり泣いた。

でも、葉月は彩己に恋愛感情を抱いていることを認めなかった。幼なじみとしての彩己の存在を求めていた。彩己が葉月のことをどう思っているかは知らない。知りたくもない。ただ呼べば飛んできてくれる彩己を信じたかった。そのくせ面と向かって尋ねる勇気もなかった。

私のこと好き?

崩れる均衡を目の当たりにする度胸などない。それならいっそこの中途半端で拙い関係を貫きたかった。
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