秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~上
ガッシャーンて豪快な音と共に緋山匡は吹っ飛んでしまった。
そぅ、アタシがグーで殴ってしまったから。
「ってー……」
よろよろと立ち上がる緋山匡の顔は見事に腫れ上がってしまった。
……どどどどどどど、どうしよう……
役者の顔を殴ってしまった。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ。
絶対にヤバイ。
「ごっ、ごめんなさい!責任はアタシがとらせて頂きます!!」
はい、土下座。
アタシが緋山匡に土下座する日がくるなんて……
でも……とても撮影が進められるとは思わない、顔の腫れ具合。