秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~上
自分の席に行くと隣の楓もかなり焦ってる様子だった。
「竜崎君、おはよ」
「あ?ゆうき?はよ」
なんだこの投げやりな挨拶。
楓って頭よかったよね??
何でこんな必死になってるの??
「竜崎君……もしかして勉強してきて無いんですか??」
ずっとノートにあった目線がゆっくりと持ち上がってアタシの目と合った。
「アメリカはテストでノートを見ていい学校が殆どなんだよ。だからノートにすっげまとめてきたんだけど、ここは日本だった―……」
やば、なんか可哀想すぎる!!
てゆーか、いい変えると馬鹿過ぎる!!
うっかり口の端が上がってしまう。
「どんまい」
満面の笑みで楓のライトショルダーをタッチした。