秘密のアイドル~仮面カブリノオ姫様~上

これも、仕事が忙しいせい。


勝手に自分で自分にいいわけして屋上へ向かった。


屋上まで届く春風はきもちがいい。


いつも隠してる所からビニールシートを引っ張り出してその上にねっころがった。



「ふぅー…きもちぃ~♪」

私は変な所で用意周到なのだ。でなければ普通、わざわざ、こんな所にレジャーシートを持ってきたりはしない。




「見つけたっ。」


1人で春風を味わっていたらアタシの顔に影がかかった。

堀の深い顔で楓がにかっと笑う。



「見つかった…久しぶりだね。楓。」



「んだよ。ちゃんと下の名前で呼べんじゃん。」



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