ろく

朦朧とした意識のまま、両手をミイラ男のようにして歩く。

ああ、人間、干からびると本当に手をこうするんだなあなんて、バカなことを考えていた私は、ろくと出会った路地に入る前に、小さな商店があったことを思い出していた。

そうだ、『ラムネ』って旗がはためいていたんだ。
< 44 / 113 >

この作品をシェア

pagetop