ろく
私と航太はとことん話し合った。
お互いが胸に抱いていることをぶつけあった。
途中、感情が昂ぶって涙が止まらなくなってしまったり、航太も怒り出すというようなこともあった。
その結果、誤解は晴れて無事めでたしめでたしと言うことになるのだが、やはりろくが言っていたようなことは現実に起こっていた。
私としてもいかなる理由であれ、電話やメールの返信がなかったことはまだちょっと引っかかるし、無視されたことも思い出すと頭に来る。
でも、それは航太もきっと同じで、私たちはこれらの問題を取り返しがつかないことにするのではなく、それを埋めるような幸福を相手に与え、相手から享受しなければならない。
そうなった時、それが出来るようになった時、本当の意味での仲直りをしたと呼べるのではないかと思う。