男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『ここ、は…』
雅「俺の家。こっちだから」
そびえ立つマンション。
その一室に、雅さんは足を進めた。
雅「入って。遠慮とかいいから」
『は、ぁ…』
まだ落ち着ききらぬ胸を押さえ部屋にあがる。
…と、奥から叫び声とも取れる声が聞こえた。
「章平!遅いわボケッ」
雅「あー、ごめん。寄り道しとったー。…ほい、タオル」
奥にいるらしい声の主に届く様に珍しく声を張り雅さんは答える。
そして私にタオルを差し出した。
『あ…お友達とかいるみたいなので…俺はこれで…』
雅「あー、ええねん。体冷えたやろ?温まってき」
『でも…』
雅「遠慮せんでいいって…あれ言わんかったかな」
後半自分に問いかけるように首を傾げ奥の部屋に消えていったのを見て慌てて追いかけた。
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