男装ホスト.Lie ~私の居場所~
由「楽しくなりそうやな?」
雅「…お手つき禁止やで」
由「むっつり章平!」
雅「違うし」
そんな二人のやり取りを見て思わず頬が緩む。
雅「ん?何?」
由「何笑ってんねん」
『いや…何か本当に仲がいいんやなって(笑)』
雅「…まぁかれこれ10年の付き合いやからな」
『え…っ』
雅「学生の時の同級生やねん」
『ずっと、一緒に?』
由「いや、大学は別。章平は院まで行ったけど俺は専門やし」
『すご…いんですね』
雅「別に……」
『…?』
不意に立ち上がり食器を片し始める雅さんの顔は、無表情で何も読み取る事は出来ない。
些細な“拒絶”を感じたのは、私の気のせいだろうか。
『雅さ…』
雅「今日から同居人としてよろしくな?」
振り向いた顔は笑顔で、私は何も言わずに笑顔を返した。
…今までの経験から感じ取った、微かにちらつく彼の闇から目を背けて。
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