男装ホスト.Lie ~私の居場所~
晴「ハァッ、ハア……!!」
夜が明けたばかりの街はすがすがしく、朝日が反射してキラキラ光っている。
まばらにいる人は会社に出勤なんやろうか、キチッと服を着てせかせか歩く。
まるで早送りするみたいに、人が行き来していた。
晴「あ…携帯…」
携帯を開いてアドレス帳を開く。
そして翔央の名前がない事に気づいた。
晴「そ…うか…」
そう言えばしばらく前、聞いた事があった。
晴「翔央!アドレス教えてーや!」
『…え?ああ、携帯。ごめん、持ってないねん』
晴「嘘!珍しいなぁ」
『捨ててもうた』
晴「捨てた!?…困らへんの?」
『別に…。会いたい人たちは店出れば会えるし』
晴「そっかあ」
『お前なんか四六時中一緒におって連絡取る必要ないしな』
晴「あ!ほんまやな♪」
居なくなるなんて、考えすらしなかった。
晴「何で…何が携帯や…」
大事な時に使えなかったら意味がない。
大事な人と繋がれなかったら意味がない。
あの子は今、どこにおんねん。
頼むから、誰か教えて…
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