男装ホスト.Lie ~私の居場所~
ただの風邪…ちゃうんか。
比「何となく察しはつく。けど仕事は仕事や」
晴「は、い…」
比「どうせ、捺生がやらかしたんやろけど……」
光「捺生さん?」
晴「し、って……?」
比「…さ、無駄口叩いてる場合とちゃうねん。ともかく、折角付いてきた客1日で逃す事になんで。…考えて行動せぇ」
晴「…」
なんで捺生さんの名前が出てきたんだろう。
つまり二人は風邪で休んだ訳じゃないのか。
隣ではまだ晴樹が鼻を啜っていた。
光「晴樹?大丈夫?」
晴「…はい」
光「晴の素直さは晴樹の利点やで?けど…比呂さんの言う事も分かるよな?」
晴「…うん」
光「よし。…取り敢えず目冷やそ?そんな真っ赤な目で出てったらまた心配されてまうから」
晴「…光輝さんっ」
光「ん?」
晴「お、俺…強くなるから…」
光「うん?」
晴「大切な人守れるくらい…強く…」
光「……うん」
何故その決意を晴樹が自分にしたかなんて、俺がそこにいたから、ただそれだけの理由や。
けど、俺には…
俺には、それがかつて自分が大切な人を守れなかった事を責められたように…
そう、感じた。
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