男装ホスト.Lie ~私の居場所~
由「何で章平にはあっさり吐くねんっ!」
『だ、だって…!!』
雅「はっはっはっ」
しばらく、怒声と高笑いは続いた。
『…雅さ…っと、章平さんは、何でホストに?』
食後、由樹さんがうたた寝を始めて静かになったリビング。
気になっていた事を聞いた。
雅「雅でええで(微笑)…せやなぁ、金…手っ取り早く貯めたかったからかなぁ」
『はあ…』
意外だった。
けど、ホストやる理由ってそんなもんか…
雅「…ま、何でも良かってんけどさ」
『うん?』
雅「一人で生きて行くためには無いよりあったほうがええやろ」
その言葉に、自分が重なって目を見開く。
『…一人でって…?』
雅「え?…いや、特に意味はないねんけどさ」
『…そうですか』
雅「ちょっと俺も寝るかなー…寝室居るから何かあったら声かけてな?」
『はい』
リビングを去る雅さんの背中を見送る。
…これ以上は聞くな。
そう、言われた気がして私は聞くのを止めた。
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