男装ホスト.Lie ~私の居場所~
「何故これ位の事が出来ないんだ」
「前はもっと上手に出来たでしょう?」
それは私じゃない。
私は前の人の代わりに過ぎないのだから。
「お前なんか」
「どうしちゃったの…?」
私じゃない
私は違う
押しつけるな
放っておいて…っ
雅「翔央!」
『っ…!!』
雅「…大丈夫?うなされたみたいやけど」
いつの間にか寝ていたらしい。
目の前に雅さんの顔があった。
『は…い…』
雅「あったかい飲み物でも作ろな」
『…』
きっと解る。
この人の痛みが私には。
『雅さん』
雅「…ん?」
『…ありがとうございます』
雅「うん。ちょっと待ってて」
でもそれは、決して自ずから触れてはいけない部分。
何故なら私も。
痛みを隠して、闇に紛れたのだから。
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