男装ホスト.Lie ~私の居場所~





慎「…さて」



雅「…」



慎「何があった?」



雅「…すみません」

















目の前の雅は視線を落とし、強張った表情で拳を握り締めている。




争い事が苦手な奴だから、よほどの事だったんだろうが。



















慎「とりあえず、何があったのか説明せぇ」



雅「すみません」



慎「だから…」



雅「…っ、ほんまにすみません!俺…行かな…」



慎「え…」














突然立ち上がる。



声が、怖いくらいに必死やった。

















慎「行くって…どこに」



雅「…すみません!」



慎「おい雅!」











止める間もなく部屋を去る雅とほぼ入れ違いに入ってきたのは由樹だった。



















慎「…はぁ。…あのお客さん帰られた?」



由「はい」



慎「そか。ありがとうな」



由「いや…慎さん」



慎「え?」



由「今回の雅の事…あまり責めないでやってください」



慎「…理由を説明してくれな、解らんよ」



由「それは後でちゃんと雅が話すと思う。…今夜は雅を好きにさせてあげてください」



慎「…」

















…はぁ。




最近問題ばっかりや。













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