男装ホスト.Lie ~私の居場所~
「また雅さん~?今日は俺の出番少ないなぁ…」
『凌さん!…ははっ、凌さんはいっぱい指名きたらきたで文句言うし何なんですか』
「うーん、まあなー?翔とグダグダ出来んのは嬉しいけどな?」
『いつグダグダしました?俺は仕事するんで!』
「うぅ…冷たい」
先輩の凌さんは、顔はいいのに動きがイチイチ鈍い。
食べる事と寝る事が好きらしく、おっとりしてる。
実際、ふと見ると何かしら口にしていて…よくあれで体型をキープできるものだと不思議に思ってしまう。
「凌さん!指名です。絢さんですよ」
凌「あ、ほんまー?翔…少しの辛抱やで?」
『はよ行ってください』
凌「っ……晴樹の馬鹿!」
晴「え、俺!!?何でですか!!」
凌「知らん!ボケ!」
晴「な、何やねん…この翔央との差は…」
『…素質、ちゃう?』
晴「な、なんやそれっ!」
この可愛らしいのは同期の晴樹。
いつも誰かしらにいじられている。
可愛がられてるって事だけど、晴樹は何やら不満そうだ。
「翔ばっか…ずるいなぁ」
『何が』
「指名も翔のが上やし、置いてかれる感じー」
『アホ、変わらないわ。無駄口叩かんと仕事!』
「また大人な対応や~…」
みんなには晴樹とタメって言うてるんやけど実際は私の方が彼より2つ下。
だけど年の差を感じない、むしろ弟のようだ。
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