男装ホスト.Lie ~私の居場所~


晴「…やや」



『え?』



晴「兄弟なんか嫌や!」

























気づけばそんな言葉が口をついて出た。




その声は、店中に響いて。





















『…』



「はる…くん?」



「どうしたの?」



晴「…あっ」
















我に返った時にはもう遅い、




フロアが水を打ったように静かになっていた。

























晴「あ、あの…」



凌「アホやなぁ!」



















不意に肩に重みを感じ、同時に凌さんの声が降りてくる。




















凌「晴樹のがお兄ちゃんやって言いたいんやろ?無理やで~、頼りないもん!お前」





















そう言ってケラケラ笑う凌さんに、店の雰囲気がどっと和むのが分かった。























晴「だ、だって誕生日俺のが早いし!」



比「アホ!そんなんでムキになるような奴が兄貴の器か」



凌「ははっ、ナイス突っ込み!」



「何かと思ったわー」



由「もー、びっくりしたあ」



隼「デカい声いきなり出すなアホ!」



晴「すみません、つい…あ、お騒がせしました」

























おどけて見せてみんなに頭を下げる。




良かった、みんなのフォローがなかったらどうなってた事か。



















…もう、何やねん。




今日の自分、厄介。
















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