男装ホスト.Lie ~私の居場所~






すっかり元の姿に戻り帰宅。





こんな時間までどこへ行ってたのかと親のような晴樹を軽くスルーしてベッドに寝ころんだ。


















…たまに自分で本当の自分が分からなくなる。




天井を見つめ思う。











普段男のように振る舞い、女性に接し、まるで本当に自分が男になったような気分になって。




気の許せる人達と働き、たまに子供みたいに言い合って。




信頼して、心配して。




想ってくれている人達を騙していて、…言えないでいて。
















自分がありのままの姿で彼らに出会っていたら、関係は違っていただろう。




…じゃあ自分が今の姿でいられなくなったら関係は変わる?




























『…何考えてんの』










きっとこんな考えが浮かんでしまったのは久しぶりに女の格好なんかしたから。




女扱いされた事がイヤだと思えなかったから。




…矛盾だらけやな、私って。
































…この時はまだ知らなかった。




今日の行動が軽率だったという事に。




静まりかけた水面に、再び石が投げ込まれようとしている事に。







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