男装ホスト.Lie ~私の居場所~
晴「あ!由樹さん何の雑誌ですか?…ファッション誌?」
由「せやでー☆」
晴「自分で買ったんですか?」
由「当たり前やん。誰かに貰う訳ないやろー?お客様の話題になるように勉強にってな♪」
晴「へぇ…凄いですね!…カニちゃんオススメファッション…カニちゃん?甲殻類の?」
由「あはは!ちゃうよ!モデルさんの愛称♪ほら、この人がカニちゃん」
晴「あ、綺麗な人やなー」
由「やっぱモデルさんはオーラがちゃうねぇ」
店が開く一時間前。
珍しく準備も早く済み、控え室の一角では由樹さんと晴樹が並んで雑誌を読んでいた。
他のメンバーも寝たり音楽を聞いたり、各々好きなようにしている。
私がまだ姿が見えない捺生さんや光輝さんの手伝いに行こうと、ちょうど立ち上がった時だった。
晴「あっ」
由「ん?何おっきな声出して」
晴「これ!これ凌さんっ」
由「え?…イケメン特集…あ、凌ちゃんや。見て!ひーちゃん!」
比「…凌やな。オイ、起きろ」
凌「んん…あと5分…」
晴「しかも綺麗な女の人と一緒の…」
由「…一般人ちゃうよね、この人」
隼「はぁ?見せてみ、コイツに女がいるハズ…」
『…』
嫌な予感しかしない。
自分の勘違いであることを、その時の私は心から祈っていた。
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