男装ホスト.Lie ~私の居場所~
隼「な…んで……」
比「…隼人?」
由「はっちゃん、どうかした?」
雑誌を覗き込んで固まっていた隼人さんの口から、唸るように低く言葉が漏れた。
何でもないような空気じゃない。
…と、次の瞬間には隼人さんの手がソファーに横たわる凌さんの襟首を掴んでいた。
隼「おいっ!てめぇ!」
晴「!?」
由「は、はっちゃん!」
凌「ぐぇっ!な…何事っ…」
比「隼人何してんねん」
『ちょっと落ち着いて!』
晴樹・由樹さんと三人で必死に引き剥がす。
何が起こったか分からずキョトンとする凌さんを、隼人さんが肩で息をして見下ろしていた。
凌「なんやねん、隼人?」
隼「何もあるか!これ何やねん!?」
凌「ん?どれ…」
雑誌を手にして凌さんの顔に突きつける。
凌さんの表情が驚愕から無に変わっていくのが分かった。
隼「何や、って聞いてんねん!」
凌「…ちゃうねん、確かに声かけられたけど…断ったんで?」
晴「やっぱこういう雑誌とかって載ったらあかんねんや…」
由「いや、店的な規則とかないし!別にそんなはっちゃんが怒ることなんか…」
比「妬いてんのか?」
隼「ちゃうわ!…何で、…何でコイツとお前が一緒におんねん!」
バシン、と机に叩きつけられたそのページには間違いない、
あの日の凌さん、そして隣には私が、写っていた。
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