男装ホスト.Lie ~私の居場所~
隼「会いたいねん…なぁ!」
凌「…」
腕を掴み必死な表情で体を揺する隼人さんを、凌さんは静かに見下ろしていた。
間に比呂さんが割って入る。
比「隼人落ち着け。…凌、会わせたれよ」
凌「…無理」
隼「何で!」
比「じゃあ雅」
雅「ううん…連絡先知らへんし」
隼「凌!頼む、頼むから…」
凌「他人の空似ちゃうの」
隼「んなモン会ってみな分からんやろ!」
凌「そうやな。…けど俺も分からへん」
隼「は?」
凌「連絡先、…知らんねん」
隼「そ…んな」
力が抜けたようにソファに座る隼人さんに、晴樹が恐る恐る声を掛ける。
晴「いつから…会ってないんですか?」
雅「7年…いやもう8年経つか」
『8、年…』
8年前。
私は10歳、か?
まだ五十嵐家の養子になる前。
私は何をしていただろう。
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