男装ホスト.Lie ~私の居場所~
隼「ごめん、騒いで」
雅「…役に立てなくてごめんな、見かけたら今度は聞くから」
隼「…」
由「はっちゃん…落ち込まないで?」
晴「そうですよ!二人が会ってんねんから、近くに居るって事ですし!」
隼「そ、う…やんな」
比「いつか会えるさ。想ってりゃ」
隼「…はい」
その後すぐに開いた店での接客も、隼人さんはどことなく心ここに在らずで。
心当たりの無い私は、自分が彼に無駄に期待させてしまっている原因だと分かっているだけに心が痛んだ。
そんな長い間思い続けているなんて、…友達だって言ってたけれど、どんな人なんやろう。
8年か…
自分は8年前は、
『ッ…』
雅「…翔?頭押さえてどうした?」
由「あれ、翔ちゃん具合悪いの?」
『あ、すみませ…ちょっと目眩がしただけで。大丈夫です』
由「無理したらあかんで?」
『はい』
何かを思いだそうとするたび痛む頭。
何を?
答えにたどり着いた事はない。
だから一時期の記憶が曖昧で、だから私は不完全だ。
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