男装ホスト.Lie ~私の居場所~
捺「凌!…お前の気紛れにコイツを巻き込むな!」
凌「…何で気紛れだなんて捺生さんに分かるんすか。本気だったら?」
捺「そう言う問題、ちゃう」
凌「じゃあどういう問題?」
捺「もうええ。おい、行くで」
『…っ』
掴まれた手を強く引かれ、私は凌さんに背を向けた。
凌「…捺生さん」
捺「…」
凌「気紛れでその子に構ってんのはアンタでしょ」
捺「…どういう意味や」
凌「そのままの意味ですよ」
捺生さんがドアに手を掛けた時、凌さんが言った。
それに答えず私たちは部屋を後にする。
閉まる直前のドアの隙間から見えた凌さんの顔は、普段とは違う、…感情を読むことが出来ない表情だった。
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