男装ホスト.Lie ~私の居場所~
コイツは気づいて無かったみたいやけど。
俺があの部屋に入ったのを見て、…俺と目が合ってから、見せつけるようにコイツに口付けた。
ワザと、…何で?
反応を見るためか、牽制か。
…どちらにしても意図が分からない。
捺「…凌、お前らの家よう来るって言ってたよな?」
『え?…はい、でも何でそれ…』
捺「晴樹に聞いた。…どうする?帰る?」
『…帰りたく、ない』
捺「分かった。お前携帯は?あるなら晴樹に連絡しとけ」
『あ、はい』
捺「あと教えとけ、俺に。赤外線でええな」
『赤外線…』
捺「…」
『…』
捺「…遅い」
『すみません…つい昨日、買ったんで…』
捺「今まで無かったんや」
『…まあ。晴樹に持て、って怒られて買いました』
捺「そっか。…貸して」
『あ、ハイ。…お願いします』
捺「…はい完了」
『…ありがとうございます』
捺「じゃあ、行くか」
『え、どこに?』
捺「今夜の宿に、やんか」
『…?』
俺の部屋に泊めるのと帰るのじゃ大差ないしな。
なんせ同じ建物やし。
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