男装ホスト.Lie ~私の居場所~
光「…捨てられた猫みたいな顔やな」
『…え?』
光「ううん、とりあえず中に入って?」
『…すみません、お邪魔します』
光「何のおかまいも出来ないけど、…お腹は減ってない?」
『大丈夫です』
光「ん。風呂はあっち、タオルは棚。寝るのは…布団敷いとくな?何かあったら遠慮なく言って。…あぁ、着替えは後で持ってくから」
『…ふふ、ありがとうございます』
めっちゃお構いしてくれてるやん。
…ふと部屋を見回すと、写真立てが目に入った。
『…ご家族ですか?』
光「え?…あ、うん」
『…これ光輝さん?かわいー』
光「小学生の時やな、…最後に撮った家族写真やねん」
『…最後?』
光「いろいろあって家族バラバラでさ。…あ、この子。妹やねんけど、もうずっと会ってないねん」
『…そうなんだ』
光「あ、暗くならんといてな?会えるって信じてんねんから」
『…ハイ!』
光「さ、変な話してごめんな。風呂入っといで」
『はぁい』
お兄ちゃん、って感じだもんな、光輝さん。
光輝さんみたいなお兄ちゃんだったら良かった。
…なんて、… 光輝さんが早く妹さんに会えたらええな。
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