男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『…実は傷痕が、ありまして』
光「…?だから消毒を…」
『違っ!昔の傷痕で、あまりにも醜いから、人の目に晒したくないっていうか…』
背中に傷があるのは本当。
その傷についての記憶は不思議とない。
けれど背中に斜めに走ったソレは、チラつく度に義父の顔を歪めた。
「醜い」
と。
『…』
光「そか…ごめん」
『え、あ…すみません!』
言い訳のつもりが、本気で凹んでしまった。
慰めるようにぽん、っと頭に手を乗せられ、申し訳なく思ってしまう。
光「ごめんな、突っ込みすぎた」
『いえ…心配してくださってありがとうございます』
光「いや…」
『光輝さん?』
光「ちゃうねん、俺お節介やから。…いっつも気をつけてんねんけど、ごめん!」
『あ、謝らないでくださいよ~!』
光「うん、ごめん…」
『なんかすみません…』
光「嫌!俺があかんかって」
『いやでも…』
光「…はは、ごめん、キリないな?」
『本当ですね…すみません』
光「よし、止めよ!上羽織りや、風邪引く前に」
『はい』
なんか意外やけど、光輝さんて…
ちょっと私と、似てるかも。
.