男装ホスト.Lie ~私の居場所~
下に停めてあった車に乗せられすぐさま発車する。
『…どうして光輝さんのとこだって分かったんですか?』
比「晴樹に聞いた」
『ああ…なるほど』
比「…」
『…えっと、どこに向かってるんですか?』
比「…取り敢えず光輝の家から出来るだけ遠くに」
『?…何でですか?』
比「しばらく黙っといて」
『あ、すみません…』
怒られてしまった。
…でも何で?ばっかりや。
20分程車を走らせると、すっかり知らない景色になっていた。
片道に車を寄せ止める。
比「…」
『…比呂さん?』
比「…説明も無しに悪かった」
『いえ…』
比「…」
『…あの、何で光輝さんの家から離れなあかんかったんですか?』
比「あの家が、危ないからや」
『え?な、なら光輝さん!』
比「光輝は問題ない。…お前にとって、や」
『それって…どう言う意味ですか?』
比「…」
こんな歯切れの悪い比呂さん、初めてかもしれない。
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