男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『天秤…?』
比「店とお前と。…何らかの理由で」
『ちょっと待って…ちゃんと説明してください!』
比「…なるべく手短に話すな」
『…ハイ』
本当はさっさと帰って寝るつもりだった。
けど店を出てすぐ、慎さんの姿を見かけた。
それだけだったら、俺も気に掛けず帰ったけど、…一人じゃなかった。
比「今の店を慎さんが作る前の事知ってるか」
『え?…えっと、有名な店のNo1だったって言うのは…』
比「そう。その店の当時のオーナーはワンマンで、人の弱みに漬け込むのが上手かった。…慎さんもだから店を辞めるのに苦労してた」
やっと店を辞める時、スッパリ縁を切ったみたいやった。
…なのに今夜、慎さんと一緒に居たのはそのオーナー。
正直、嫌な予感しかしなかった。
だから、悪趣味だと分かっていながら物陰に身を潜めたんや。
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