男装ホスト.Lie ~私の居場所~




慎「何でこんなとこまで…報告はしてたでしょう」



「報告だけじゃ足りひんねん、もう先方は。店におんねやろ?」



慎「…分かりました」



「はは、俺のやり方を否定して辞めたお前がな…やっぱり店は大事やろ?」



慎「…」



「店の為なら仲間の一人差し出すのも仕方ないわな?翔央、やっけ?気の毒やな、はは」



慎「…今夜連絡します」



「せやな、それが無難やな。もう時間は与えられてへん」



慎「彼がいる所へ先方を誘導する。…俺がするのはそこまでです」



「充分や。後は勝手に自分らが何とかするやろ。そしたらお前の店も安泰や、なあ?」



慎「…」



「ま、よろしく頼むで。ほなな」




































比「…俺には全然理解出来なかった。けど、翔央。…お前が店との引き換えになって誰かに引き渡されるかもしれへん事は俺にも分かった」



『…』



比「慎さんはあれで真っ直ぐな人やから。仲間と店作りたい、って、それまでが人の揚げ足取るような場所だったから余計に、それがあの人の夢だったから」













同じあの場所で働いていたからこそ分かる。




あの人の苦悩も、望みも。










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