男装ホスト.Lie ~私の居場所~
慎「少し遅なったな、悪い」
「ええよ、いつもの事やし」
どこからどう見ても男の人なその人は、気づいた様に私に視線を向け、
「一人と違ったんかい!」
慎「うぉっ!?」
表情一つ変えずそう言って抱きついていた慎さんの身体を突き飛ばした。
慎「ったた…おい睦!」
慎さんの非難の声には耳も貸さず近寄ってくる睦(?)さん。
見透かすような綺麗な彼の瞳に射すくめられ、私はただ、その場で固まってしまった。
慎「コラ!お前何ウチの店員に手出してんねん!!お触りすんなら金払えや!」
睦「ふーん、アンタんとこの従業員なんだ?キミ名前は?」
『あ…え、と…翔央です、はじめまして…』
睦「ええな、キミ」
『え…』
慎「睦、もうええやろ」
顎を掴まれ色んな方向に向けられ戸惑っていると、やっと慎さんが止めてくれた。
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