男装ホスト.Lie ~私の居場所~
「…妹を捜しに来たんだ。とりあえず責任者を出してもらおうか」
由「妹だぁ?」
晴「…常連さんのお兄さんって事?」
「妹がこんな安っぽい店の客になどなるものか」
由「てめ…っ」
晴「ちょっと…!!由樹さんやめてくださいっ!!」
「…ふん、野蛮だな。顔だけにしか価値がなく頭はどうせ弱いんだろう。だから考えるより前に手が出るんだ」
由「晴樹離せ!!」
晴「だ、ダメですっ」
あかん、完璧キレてる!!
いつも優しい人がキレたら怖いってほんまやってんな…
一人では対処出来ずに戸惑っていると、後ろから声がした。
雅「由樹。落ち着け」
晴「み、雅さぁーん!」
由「…チッ」
雅「…それで?そちらの方は?」
「…アンタここのオーナーか?」
雅「俺が?まさか。オーナーなら不在ですけど」
「不在?」
雅「要件なら俺が聞きます。中に入りますか?」
「結構だ。…連れ戻しに来たんだ。貴様らに誑かされここで働いている妹を」
雅「…働いてる、妹?」
「名前は五十嵐菜穂。私は五十嵐悠、彼女の兄だ」
雅「…」
晴「妹って、ここは…」
ここは、ホストクラブなのに。
妹なんかいる訳がないのに。
なんでそんな勘違いしてるんやろ‥
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