男装ホスト.Lie ~私の居場所~
光「…ちょっと何してるんですか、中はもう片付け終わって…あれ、お取り込み中?」
中から光輝さんが顔を出す。
異様な雰囲気に包まれた俺たちと、突然訪れた男を不思議そうに見比べた。
「…アンタは」
由「…こいつもオーナーちゃうぞ、言うとくけど」
光「あの…こちらの方は?どう言う状況なんですか?」
「…」
男―五十嵐悠と名乗るその男は、しばらく光輝さんを眺めた後、静かにため息をついた。
「…思わぬ収穫があったものだ」
光「え?」
「独り言だ。気にしないでくれ。…今日はこれで失礼するよ」
雅「今日はって、」
「また来るかもしれないな、妹を取り戻すまでは」
由「何言ってんねん!まるで俺たちが犯罪者みたいな…」
「同じようなものだ」
由「お前…っ」
雅「由樹!」
由「…もう俺は知らんっ!」
晴「あっ…」
我慢の限界が来たのか、フロアに由樹さんが戻っていく。
それを無表情で五十嵐悠は見送り、また視線を雅さんに移した。
「騒がしくして悪かった。では」
雅「…はい」
晴「…あのっ」
「…なんだ」
晴「あの、ここには女の子は働いてません。裏方さんも男だけやし…五十嵐さん、勘違いしてはる…」
「…ごまかしてももう調査は済んでいる」
晴「調査?」
「妹は、ここで働いているよ。源氏名は翔央、そうだろう?」
晴「……!?」
光「…!」
「…まあいい。失礼する」
あとに残されたのは、沈黙。
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