男装ホスト.Lie ~私の居場所~




比「…写真?」



『渡されたんです…その、男の人に』



比「は?…お前用心しろ言うたのにドア開けたん?」



『違います!』
















説教を喰らいそうな雰囲気に、慌てて事情を説明した。




比呂さんの知り合いじゃ、ない。




ならあの人は…?






















比「なんで…鍵持ってた言う事か」



『はい、だからてっきり比呂さんやと思って』



比「顔は分からなかったか?」



『電気見つからなくて…』



比「俺と違うって、何で分かった?何か覚えとらんの?」



『あ、匂いが…香水が違ったんです。比呂さんの匂いじゃなかった』



比「…何の香水?」



『分かりません…ただ、誰かと同じだった。嗅いだ覚えはあって…』



比「…匂いだけか。そいつの目的はそれ渡す事だけやったんかな」



『…あと、迎えに来るとも』



比「…今はその時じゃないって事か?誰やねん。そもそも何で入って来れたんや」



『…』



比「もう…あんま動きたくなかってんけどな。仕方ない、とりあえず部屋変えてもらお」



『…』



比「おい。聞いてるか?」



『あ!はい、すみません』





















意識は写真に奪われていた。







手元にあるのは、光輝さんの家で見た家族写真の写真盾。



何故これをさっきの人が、私に?



大事なモノ?
何の事?










.
< 300 / 443 >

この作品をシェア

pagetop