男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『…』
朝になって部屋を変えてもらい、比呂さんは一旦家に帰ると出ていった。
それから写真を見続けて半日。
知恵熱か、頭が痛なったする気がする。
『…いくら見ても何もないしな…』
何も心当たりが無いし、次第に昨夜の人の勘違いなんじゃないか、なんて思えてくる。
…だけどこの写真盾、光輝さんのやんな。
『…』
比呂さんに携帯の電源は切るように言われてたけど、少しだけ。
そう思って電源ボタンを長押し。
光輝さんのアドレスを開いて、通話ボタンを押した。
『・・・あ、もしもし』
光「…うん」
『あの、この間はお騒がせしてすみませんでした。挨拶も出来なくて…』
光「いや、ええよ。気にせんといて」
『すみません。…あ、今日はちょっとうかがいたい事があって』
光「…」
『この間見せてもらった家族写真、光輝さんの家にあります?』
光「…」
『光輝さん?』
光「…あ、ごめんな」
『いえ、…どうかしたんですか?』
光「…ううん。…なあ、聞いてええ?」
『はい?』
光「君は今、幸せ?」
伝わってくる優しい口調は普段そのままに。
ただ、様子がおかしいのは電話越しの私にも分かった。
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