男装ホスト.Lie ~私の居場所~
何もしない事で、いつも通りでいる事で、誰かの救いになるかもしれないなんて。
―…ただの怠惰だろうか。
雅「…はぁ」
由「もうっ雅ちゃんまでため息ついてどないすんの!」
雅「…ゴメン。つい」
由「…なんてね。はぁーあ」
雅「お前やって、ため息漏れてんぞ」
由「疲れたんやもん。あれ、光ちゃんは?」
雅「光輝?裏ちゃう?」
由「…チッ。かわいこぶって損した」
雅「おいおい…露骨過ぎ」
苦笑しながらソファーの隙間に雑誌らしきものが挟まっているのが見え、手を滑り込ませた。
雅「…っと。これお前の雑誌?」
由「ん?あ、そうそう!…さっき凌が読んでたな。落としてそのままにしやがったか」
雅「ふーん…」
それは女性向けの情報雑誌。
パラパラと適当に開く。
…と。
後方ページに、見覚えのある人物がでかでかと写っているのを見つけてしまった。
雅「…」
由「…はぁ。最近つまんねー」
雅「…」
由「別にええねんけどさー」
雅「…由樹。これ」
由「うん?・・・あーっ!こいつ!」
五十嵐悠。
五十嵐グループ、現社長子息にして時期社長。
ルックス良し、
裁量もある。
更なるグループの成長に一役買う人材であろう。
…女子の羨望の的になりそうな記事が、特集として載っていた。
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