男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『…何時…?』
泣き疲れて眠ってしまった様で、月明かりだけが部屋を照らしていた。
ベッドの横を見ると、見覚えの無い紙袋が目に入った。
『…服?』
多分、比呂さんが持って来てくれたんやろう。
下着と服の数着は、ホテルに入っているショップに行って調達した。
部屋にいる分にはそれで足りたんだけど、わざわざ用意してくれたって言う事はここでの滞在が長期になるって見越しての事なんやと思う。
『…はぁ』
…夜が明けたら、ここを出よう。
コインランドリーが上階にあったハズ。
そう思い、衣服をバックに詰め込んでルームキー片手に部屋を出た。
思った通り、ランドリーは一階上の一角にあった。
そのフロアに客室は無く、辺りは人気も無い。
ほっとひと息ついて洗濯物を無造作に突っ込みスイッチを入れた。
『…まだまだ掛かるかな』
下着も入れてしまったから、…ちょっとここで待っていようかな。
そう思って、椅子に腰掛ける。
定期的に聞こえる洗濯器の振動は、次第に私を眠りの中へと誘った。
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