男装ホスト.Lie ~私の居場所~




それから時々、同じ公園でりぃを見かけて話す様になった。




いつも暗い表情で一人、ブランコに腰掛けている女の子に会う事はいつの間にか習慣になり、そしてそれは楽しみになっていった。










学校指定の鞄に書かれた隼人と言う字を女の子はシュンと読み、俺はそいつをりぃと呼んだ。




話した事は些細な事ばかり。




学校の事、友達の事。中学生は楽しい?




…ほとんど質問をしてくるのはりぃで、今思えば俺の話ばかりしていた気がする。




ころころ表情を変えて話を聞くりぃをガキだなとも思ったし、かと思えば憂いを帯びた表情で子供らしからぬ事を言ったり、…本当に不思議な奴だった。














…学校帰りの夕方の時間を一緒に過ごす様になって半年程経った頃だろうか。




その出来事は、起こった。

















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