男装ホスト.Lie ~私の居場所~




いつの間にかすぐ近くまで来ていた女は俺を酷く冷たい目で見下ろしていた。




…ああ、狂っとる。




そう認識した瞬間、刃物が振り下ろされた。











隼「ッ!………?」
















…いつまでも来ない痛みに俺は目を開けた。








『ッ…た…ぃ…』








目の前には、苦痛に顔を歪めたりぃが、俺を庇う様に立っていた。








「…」








母親の目には動揺が見えた。



悲しげにも見えた。








「…もう、構わないで」



隼「な…りぃ!おい、りぃ!」



『…っ…だい、じょ…ぶ…大丈…っ』



隼「ちょっ…誰か!救急車!」



『大丈夫…だから…』









無理に微笑んでそう言うりぃの額には大粒の汗が。



肩から背中に掛けて、広く切りつけられた様だった。






大丈夫、



何度も意識を手放しそうになりながらそう言い続ける。






俺に対してか、はたまた自分に刃物を向けた母親に対してなのか。






俺には、分からなかった。
















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