男装ホスト.Lie ~私の居場所~




今日も何事も無く営業時間が終わった。






先日、捺生と比呂とやり合ったのが尾を引いていて気まずい。




正直、店内にも居たくない。
こんなの初めてや。




スカウトだと銘打って店外に出る事も考えたが、莉依ちゃんの穴の上にあれ以来捺生も店に出ていない。




更に今日は凌から休みの連絡が入り、さすがに人手不足。




俺がフォローに回るしか無かった。













さっさと帰ろうと帰り支度をしていた途中、部屋をノックする音が聞こえた。









慎「…はい、誰?入って」



比「失礼します」











比呂―



今、一番顔を合わせたくはなかった。









慎「何?」



比「昨日、五十嵐悠って奴が店に来たと。どうも翔央の身内らしく、皆にあいつが男やないって事が知られてしまいました」



慎「…!」



比「慎さん。皆フロアで待ってます。…あんたの口から説明を」



慎「…何を話したらええんよ」



比「とにかく来てください」



慎「…」








本当に、全てが上手くいかへんな。




五十嵐さんが店に来るなんて想定外にも程がある。







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