男装ホスト.Lie ~私の居場所~



晴「…こんな形でお別れって」



隼「な…いきなり過ぎるやろ!」



由「…なんなん」



雅「…」











各々が口開く中、慎さんの静かな声がフロアに響いた。













慎「……翔央の事、話すわ。捺生も、座って。俺の足らないとこはお前が補足して」



捺「……おう」
















再び静まり返ったフロアを見回し、慎さんはゆっくり話し出した。




翔央を雇った経緯、それは翔央が女である事を知らなかった上での話だという事。













慎「…でも翔央はその日に自分が女の子やって教えてくれた。知っててそれでも雇うって決めたのは俺や、あの子は悪くない」



雅「何でリスク背負う事知ってて雇おうと?」



慎「…人間的に気に入った、からかな」



由「昨日来たお兄さん、雑誌で見たけど次期社長なんやって。つまり翔ちゃんはいいとこの子やろ?何でこんなとこで働こうと?社会勉強?」



隼「…次期社長?何の話や。お兄さんって何」



雅「だから昨日来たんやって」



隼「あいつに兄貴なんて居たのか…」



晴「…さっき捺生さん、翔央は家出してたって。何でですか?」



捺「家に不満があったんやろ」



晴「不満…」



由「って言うか、なっちゃん。伝言って本人に聞いた訳?何でなっちゃんなの?翔央はどこにいんの」



捺「ホテルに匿ってた」



雅「匿う?はは、穏やかな話ちゃいますね」



由「…笑ってる場合か。で、匿うって何から?」



比「…」












捺生…どこまで話す気やろう。







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