男装ホスト.Lie ~私の居場所~




五十嵐の家は高い塀に囲まれていて、門扉が固く閉ざされていた。







隼「…この塀はあいつら登れへんやろ」



比「だから俺らが上手くあの門開けさせる役やねんて」



隼「なーる…」








チラッと周りを見渡せば、確かにカメラの死角となる部分に晴樹と由樹さんが闇に紛れている。











比「行くで」



隼「はい」













比呂さんが呼び鈴を押し何か話し始めた。



俺は本当にこんなデカい家にあいつが居るのか戸惑っていた。



…と、門が開き始めた。














比「…よし。第一関門突破やな」



隼「うわ…まじで開いた」



比「行くで。…俺らの仕事は時間稼ぎや」



隼「はい」













俺らが門をくぐるとまた閉まり始める。



チラッと振り返れば、二人の姿はもうどこにも無かった。












隼「…あいつら無事入ったんすかね」



比「キョロキョロすんな。もうとっくに行ったよ」



隼「素早い…」











セキュリティー万全とか言って結構チョロいな。



いや、俺らが凄いのか?











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