男装ホスト.Lie ~私の居場所~
由「落ちたら助けへんからね」
晴「は…はい!」
由「なら先どうぞ」
なんやドキドキしながら手を伸ばす。
この胸の高鳴りが閉まった窓とカーテンの向こうに翔央がいる為なのか、飛ぶ事への緊張からなのか分からなかった。
…と、不意にカーテンに人影が揺れた。
晴「…!!」
由「翔央か…?」
晴「いや…これは…」
カチャ、と金属音が聞こえカーテンと共に扉が開いた。
闇に慣れていた目が急な刺激で閉ざす。
由「…なんで」
由樹さんの呆けた声が聞こえ、ゆっくり目を開く。
そこには予想していない人物の姿があった。
晴「…凌、さん…?」
スーツに普段はつけないネクタイを締め、眼鏡を掛けているのは紛れもなく凌さんで。
けどその人が放つ雰囲気は、凌さんとは確実に異なるものだった。
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