男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『…久しぶり』
晴「翔央…」
少し伸びた髪を耳に掛け、白色のワンピースを着た“女の子”。
知らない人、みたい…。
『晴樹、ごめん。騙してて』
晴「…騙してたん?」
『うん…結果、そうなった。ごめんなさい』
晴「許さへん」
『…うん』
晴「…帰って来るなら許したる。一緒に帰るなら」
『え…』
晴「その嘘はあそこで生きる為に必要やったんやろ?なら仕方ない、けど黙っていなくなるのは許せへん」
『晴樹…』
晴「翔央、帰ろ?ここにいて幸せなん?違うから逃げて来たんやろ?」
『でも…』
由「でも、何?」
『…帰れない』
由「何で?」
『決めたんです、由樹さん。好きな人が苦しむのは見たく無い』
由「は?何、どういう意味」
『迎えに…来てくれたんですか?』
由「アホか、奪いに来たんじゃ。お前は俺のモノや」
晴「え…!?」
『…冗談でも嬉しいです』
由「冗談ちゃうわ」
凌「…冗談にしておいてもらえますか?」
由「…」
不意に口を挟んだ凌さんをキツく睨みつける由樹さん。
そうだ、凌さんの事情もまだよく分かっていないんだった。
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