男装ホスト.Lie ~私の居場所~



凌「…」








ドアが閉まったのを確認してため息をつく。








凌「歪んでんな」




この家も、俺も。











悠「…凌」



凌「…悠さん。何ですか」



悠「まだお前に聞いてない事があるのを思い出した。…雑誌の件だが」



凌「雑誌?」



悠「お前と、菜穂と。あの日何をしていた」



凌「…ああ。ただ出掛けていただけですよ、同じ店で働く同僚として」



悠「…菜穂の顔は知っていただろう。なぜすぐに報告をしなかった」



凌「私の仕事はあくまで藤原捺生の監視でしたから」



悠「…屁理屈にしか聞こえないが」



凌「そうですか?」



悠「…父上は何故お前の様な奴を菜穂の近くに置くのか…」



凌「信用してくださっているからでしょう」



悠「俺は認めないからな」



凌「ええ、残念です」
















…ふん、くだらない。









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