男装ホスト.Lie ~私の居場所~




朝か。





そう判断するにはまだ薄暗い部屋で、腕の中にある温もりを確かめる。





そろそろ、起きなければならないと頭で分かっていてもなんとも言えない幸福感を手放すのが惜しかった。














凌「…莉依ちゃん、堪忍な」













関係の無いこの子さえも、俺は俺の為に持ち駒にしようとしている。



俺なら、彼女をすぐにこの場所から解放する事が出来るのに。
















凌「…悠さんには渡さへん」






歪んだあの男が、莉依に妹以上の感情を持っている事にも気づいている。






凌「この家にいる間は俺が守るからな」






それがこの子を振り回す俺への義務。













凌「ゆっくりおやすみ」










せめて、夢の中だけは平穏に過ごして。














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