男装ホスト.Lie ~私の居場所~
『ん…』
目を覚ますとベッドには私一人。
だけどまだ残る温もりと微かな匂いに、一人じゃなかったと思い出す。
『久しぶりにこんなに寝たかも…』
私一人には広過ぎるベッドのせいかもしれない。
狭い方が寝れるのかも…
我ながら貧乏性だな。
『…あれ?』
ふと、思い出す。
この匂い。
『…凌さんの匂いだ』
そう、この残り香の主は凌さん。
それは知っている。
…何で気づかなかったんだろう。
「「…迎えに来るから」」
ホテルでの、
あの人は。
『…凌さん』
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