男装ホスト.Lie ~私の居場所~




凌「菜穂様。本日のスケジュールの確認に参りました」



『…はい』



凌「4時限終了後、着付け、お茶のお稽古、のちジムで帰宅。あとは旦那様から出された課題を…」



『…』














昨日の夜の事なんて何も無かったかの様に、ただ業務的に言葉を発する凌さん。




迎えに来るから、それはこの家に私を連れ戻すと言う事だったんだろうか。














凌「…ああ、編入が急な事でしたので私が勝手に授業を組んでしまいましたが大丈夫ですか?」



『え?あ…はい』












大丈夫、どころじゃない。
私の興味を引く講義が効率良く組まれた時間割に私は驚いたし、内心感謝もしてる。












…凌さんが心から義父に従っているのなら、そんな事はしないはず。



そんな考えは甘い、んだろうか。















『…七瀬さん』



凌「はい?」



『何故光輝さんの写真…私と兄の家族写真を、あの夜ホテルに届けてくれたんですか』



凌「…はい?」



『私は義父にお前の家族はお前を必要としなかったと、捨てられたと言い聞かされてきたんです』














そう、

余所に希望なんて持たせない為に。




きっと、この家に縛り付けておきやすくするために。













『あんな写真、私に与えてもプラスにはならない。そう義父なら考えるでしょうね』












けど、凌さんはあれを私に与え、結果光輝さんがお兄ちゃんだと、知る事が出来た。












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