男装ホスト.Lie ~私の居場所~
凌「…私にはあなたにプラスの効果をもたらすと感じました。だから光輝さんの所に乗り込んだ旦那様の部下に持って来させた」
『…どういう事です?』
凌「…これ以上質問は受け付けません。早く準備なさってください、朝食の時間です」
『え、ちょっと…待ってください!』
凌「…何ですか」
『教えてください!…知りたいんです』
凌「分からない方ですね。そんな詮索であなたがどうかなるとでも思ってるんですか?」
『べつにそんな期待してません!…知りたいのは凌さん、あなたの事です』
私の言葉に凌さんが目を見開くのが分かった。
…そう、見えただけかも知れないけれど。
凌「…学習能力が無いんですか」
『え?』
凌「七瀬と呼べ…そう言いましたよね?」
『…』
凌「黙らないと、黙らせますよ」
『え、っ……!』
不意に体を壁に押し付けられ、衝撃で思わず目を瞑った。
目を開けると今にも触れそうな至近距離に凌さんの顔。
『っ…凌さ…』
凌「七瀬、です」
『ん…っ』
触れた唇に熱が集中する。
ぎゅっと目を閉じると、ゆっくり熱が離れていった。
凌「…二回目ですね」
『…っ』
凌「…ではいつもの時間に食堂に。失礼致します」
呆然とする私を残して、彼は私を置いて部屋を出ていった。
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