男装ホスト.Lie ~私の居場所~
捺「家、戻ってどう?」
不意に捺生さんが言った。
『どう、って…』
捺「窮屈?戻りたくなった?」
『…』
捺「後悔、しとらん?」
『…して、ません』
捺「…嘘やな」
『本当ですよ。窮屈は窮屈だけど…凌さんもいてくれるし』
捺「…お前専属?アレ」
『アレって…。はい、何か私の監視役みたいですよ』
捺「へぇ…後であいつに言っとけ。気色悪い喋り方似合わへんでって」
『…言っときます』
捺「変な事はされてへんの?」
『変な…?』
捺「…別にされてないならいい」
『はぁ…、』
あれ。
添い寝は変な事なのかな。
キス、は変な事…だよね。
思い出して火照る顔を悟られない様、慌てて食事に手をつけた。
捺「…本題やけどさ」
『はい』
捺「お前言うたよな、俺が外で自由で在り続ける限り結婚しなくて済むって」
『…はい、似たような事は』
捺「俺、お前が店に入る直前まで家連れ戻されててんけど。これ以上勝手してたら破談やて」
『へ…』
捺「藤原との結婚がのうなっても、代わりがそっちには控えてるって事や」
『…そんなの知りません』
捺「どこのどいつか分からない奴と結婚すんのか、俺か。ここで選べ」
『は…?』
何て…?
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